2024年09月10日
A1:はい、フォレストキッズの歩行訓練は単なる散歩とは全く異なります。この訓練は子どもたちの成長に欠かせない重要な活動なんです。歩行訓練を通じて、お子さまは体力をつけるだけでなく、集中力や社会性、コミュニケーション能力を培います。さらに、交通ルールや社会的マナーも自然に身につけていきます。つまり、「歩く力」を育てることで、「生きる力」を育てているのです。
A2:歩行訓練には多様な効果があります。主に以下の3つの効果が挙げられます。
1. 体力と集中力の向上:
適度な運動は脳の活性化にもつながります。多くのお子さまが訓練後に集中力が向上し、座席に座っている時間が延びたり、課題に取り組む姿勢が良くなったりします。
2. 社会性とコミュニケーション能力の発達:
例えば、多弁なお子さまにとって、歩きながら会話をすることで「相手のペースに合わせる」ことを学べます。これは社会性の基本となる重要なスキルです。
3. 交通ルールと社会的マナーの習得:
特に年長さんにとっては、実際の場面で交通ルールを学ぶ絶好の機会となります。信号の見方、横断歩道の渡り方、歩道の歩き方など、座学では難しい「実践的な学び」ができるのです。
これらの効果は、お子さまの日常生活や将来の社会生活において非常に重要な役割を果たします。
A3:もちろんです。フォレストキッズでは、一人ひとりのお子さまに合わせた支援を大切にしています。特にADHDやASDのお子さまには特別な配慮をしています。
ADHDのお子さまの場合:
・衝動性のコントロールが課題となることが多いので、「待つ」「止まる」といった行動を特に意識して練習します。
・環境の変化に敏感に反応することがあるので、歩行訓練のルートを事前に説明したり、複数のルートを用意して選択させたりする工夫をしています。
ASDのお子さまの場合:
・TEACCHプログラムの考え方を取り入れています。
・歩行訓練の流れを視覚的に示したスケジュールボードを使用したり、歩く距離をタイムタイマーで視覚的に示したりします。
・これにより、見通しを持って活動に取り組めるようになります。
大切なのは、お子さまの特性を理解し、それに合わせたアプローチを取ることです。一人ひとりのお子さまに合わせて、常に柔軟な対応を心がけています。
A4:歩行訓練を嫌がるお子さまへの対応は非常に重要です。まず、なぜ嫌がっているのかを理解することから始めます。よくある理由としては、単純に歩くのが嫌い、歩くのが苦手で自信がない、ルーティンを変えられることへの不安、目的地に行けないことへの不満などがあります。
対策としては、以下のようなアプローチを取っています:
1. 好きな活動と組み合わせる:
シャボン玉遊びや虫探しなど、お子さまの好きな活動を歩行訓練と組み合わせます。
2. 選択肢を与える:
複数のルートを用意し、お子さまに選んでもらいます。これにより、主体性を持たせることができます。
3. ルートの事前説明:
特にASDのお子さまには、ルートを事前に説明したり、視覚的に示したりすることで不安を軽減します。
4. 段階的なアプローチ:
最初は短い距離から始め、徐々に距離を延ばしていきます。成功体験を積み重ねることで、自信をつけていきます。
5. 休憩を取り入れる:
必要に応じて休憩を取り入れます。ただし、これはお子さまの状態を見極めながら判断します。
重要なのは、お子さまを無理に歩かせようとしないことです。楽しみながら少しずつ歩くほうが、長期的には効果的なんです。時には1〜2ヶ月ほど中断し、他の活動で自信をつけてから再挑戦することもあります。
A5:はい、家庭での継続は非常に効果的です。ただし、フォレストキッズでの訓練をそのまま家庭で再現する必要はありません。日常生活の中で、歩くことを楽しむ機会を作ることが大切です。
家庭での取り組み方としては、以下のようなものがおすすめです:
1. 日常的な散歩の活用:
近所の公園までの道のりを利用した簡単な歩行訓練を行うのも良いでしょう。
2. 好きなことと組み合わせる:
「虫を探しに行こう」とか「お気に入りのお店まで歩いてみよう」といった具合に、お子さまの興味と結びつけます。
3. コミュニケーションを取りながら歩く:
周りの景色について話したり、簡単なゲームをしたりすると、歩くことがより楽しい活動になります。
4. 段階的に距離を伸ばす:
最初は短い距離から始めて、徐々に距離を伸ばしていきましょう。
5. 交通ルールの実践:
横断歩道の渡り方や信号の見方など、実際の場面で交通ルールを教えていきます。
ただし、お子さまの様子を見ながら、無理のない範囲で行うことが重要です。疲れてしまったら、少し休憩を取るなど、柔軟に対応してください。
また、フォレストキッズでは保護者の皆さまとの連携を大切にしています。定期的に歩行訓練での様子をお伝えし、家庭での実践についてもアドバイスさせていただきます。お子さまの成長を一緒に見守り、支援していければと思います。
A6:はい、歩行訓練は就学後の生活にも大きな影響があります。長期的な効果としては、主に以下のようなものが挙げられます:
1. 学校生活への適応:
規則正しく歩くことで、学校生活に必要な「決まりを守る」という習慣が自然と身につきます。これは、授業中の態度や学校のルールを守ることにもつながります。
2. 体力の向上:
歩行訓練で培った体力は、学校での様々な活動に活かされます。休み時間の外遊びや体育の授業、遠足などの校外活動にも自信を持って参加できるようになります。
3. 集中力と学習態度の改善:
歩行訓練を通じて養われた集中力は、授業中の学習態度にも良い影響を与えます。座って話を聞く、指示に従うといった基本的なスキルが自然と身についていきます。
4. 社会性とコミュニケーション能力の向上:
歩行訓練中の様々な経験(例:道路の横断、他の歩行者とのすれ違い)は、社会的なスキルの向上にも寄与します。これらのスキルは、クラスメイトとの関係づくりや、先生とのコミュニケーションにも活かされます。
5. 自立心と自信の育成:
徐々に長い距離を歩けるようになるなど、成功体験の積み重ねが自信につながります。「自分にもできる」という感覚は、学校生活の様々な場面で子どもたちの挑戦する力となります。
6. 健康的な生活習慣の形成:
定期的に歩く習慣は、将来的な健康維持にも良い影響を与えます。
これらの効果は、就学後すぐに現れるものもあれば、長期的に徐々に現れてくるものもあります。大切なのは、一人ひとりのお子さまのペースを尊重しながら、継続的に支援していくことです。
A7:フォレストキッズの歩行訓練が目指しているのは、「歩く力」を通じたお子さまの総合的な成長です。私たちの理念と目標は以下のようなものです:
1. 個別化された支援:
一人ひとりのお子さまの特性や発達段階に合わせた個別のアプローチを心がけています。
2. 「生きる力」の育成:
体力や運動能力の向上はもちろん、集中力、社会性、コミュニケーション能力、ルールの遵守、自立心、自信など、お子さまの成長に必要な様々な要素を、歩行訓練を通じて育んでいます。
3. 楽しみながらの成長:
無理強いではなく、お子さまが楽しみながら成長できる環境づくりを心がけています。
4. 家庭との連携:
保護者の皆さまと協力しながら、お子さまの成長をサポートします。定期的な情報共有や、家庭での実践アドバイスなども行っています。
5. 社会適応能力の向上:
将来の社会生活を見据えて、交通ルールの遵守や公共マナーの習得なども重視しています。
6. 可能性の追求:
お子さまの潜在的な可能性を信じ、それを最大限に引き出すことを目指しています。
私たちは「歩く力は生きる力」という言葉を大切にしています。歩くという基本的な動作の中に、お子さまの未来を切り開く力が宿っていると信じているのです。
時には困難に直面することもありますが、お子さまの可能性を信じ、保護者の皆さまと協力しながら、粘り強くサポートを続けていきます。フォレストキッズは、これからも歩行訓練を通じて、お子さまの健やかな成長と、明るい未来をサポートしていきます。
フォレストキッズの歩行訓練は、単に歩く技術を磨くだけのものではありません。それは、お子さまの「生きる力」を育む総合的な取り組みなのです。
体力づくりから始まり、集中力の向上、社会性の発達、自立心の育成まで、歩行訓練はお子さまの成長に幅広く貢献します。そして、これらのスキルは就学後の生活や、さらには将来の社会生活においても大きな力となるでしょう。
一人ひとりのお子さまに寄り添い、その成長をサポートすることが私たちの使命です。保護者の皆さまと手を取り合いながら、お子さまの可能性を最大限に引き出していきたいと考えています。
歩行訓練は、お子さまの未来への一歩一歩。その小さな一歩が、やがて大きな飛躍につながると信じています。フォレストキッズは、これからもお子さまと保護者の皆さまと共に、その道のりを歩んでいきます。
コラム監修:撹上雅彦(かくあげまさひこ)
群馬大学教育学部特別支援教育特別専攻科を卒業し、現在は発達障害に特化した児童発達支援事業、放課後等デイサービス、個別指導塾を直営およびフランチャイズで運営。自らもADHDおよびASD(自閉症スペクトラム)を抱えており、長年にわたり整理整頓や人間関係の難しさ、金銭管理の困難など、数多くの困難に直面してきました。しかし、長男の支えを通じて自身の特性を理解し、環境を整えることで、人生が大きくプラスの方向へと転換しました。
現在、私の事業所や塾には全国で約1000人の発達障害やグレーゾーンの子どもたちが所属しており、私は支援者として、保護者やスタッフからの相談に対応し、数多くの研修会にも参加してきました。また、発達障害の子どもを持つ親でもあり、支援者でもある立場から、様々な視点で発達障害を理解し、支援しています。
私の目標は、同じように発達障害で困っている方々をサポートし、共に歩んでいく仲間を全国で見つけ、発達障害に対する理解と支援を広めることです。